なぜ女性の社会進出が上手く進まないのか、という話をします。
労働力人口総数に占める女性の割合
2010年 42.0%
2021年 44.6%
※参考:厚生労働省/令和3年版働く女性の実情
このように女性の社会進出は進んでいますし、昔に比べれば進歩だと思いますが、次の2つの事実を見るとまだまだと感じてしまいます。
女性の正規雇用は労働者の半分、管理職に至っては90%以上が男性という現状です。
もちろん、どういう生き方・働き方をするかは個人の自由なので、正規雇用や出世が正義という訳ではありません。
ですが、選択肢を増やすという意味では、もっと正規雇用や管理職に就きやすい社会であることは重要だと思います。
では、なぜ女性の社会進出が上手く進まないのかを2つの理由から説明します。
1.男性向けに作った労働ルール
そもそも、女性の社会進出は、男性が作った社会の仕組み、働き方に、女性が合わせろって話になっていますよね。
週5日、1日8時間以上働けるという前提での労働ですが、これは健康な男性のみ当てはまる労働条件でしょう。
女性はどんなに健康でも、体のバイオリズムから、だいたい月1度、数日程度体調がすぐれない時期があります。
まずこういった点を無視しています。
違う生物と言っては語弊があるかもしれないですが、
造りが違うのですから、同じ働き方を求めるのは無理があります。
そもそも不利な条件で、男性との競争を強いられます。
そして、日本はとても休みづらい社会です。
近年は多少改善されたとはいえ、
休暇を取るのは後ろめたい事、周りに迷惑をかける行為という意識は、まだまだ消えていません。
休むことで評価に直接影響しなくとも心証に影響があると思います。
そんな休みづらい社会ですから、毎月痛み止めを飲みながら働く女性が多いと聞きます。
定期的に痛み止めを飲んで、体調不良の中働かなきゃって、結構異常ですよね。
サッカー選手などのアスリートでも、試合には痛み止めを使って出場する事はありますが、日々のトレーニングから痛み止めを使ってまで参加することは稀だと思います。
日本の社会では生産性よりも何よりも、
穴をあけない、とにかく毎日居ることが評価されたりもします。
つまり、そもそも女性には不利なルールなんですが、
個人の責任の範疇として捉えられ、とにかく頑張って働け、どんどん出世しろと求められています。
これでは正規雇用を勝ち取ることも、出世することも難しいですよね。
2.体育会系社会
これは、
体育会系特有の徹底した上下関係、精神論、根性論への過度な依存を特徴とした、
体育会系の部活の常識をそのまま社会常識にした社会のことです。
体育会系社会については、
別の記事で解説しましたので、興味のある方はコチラもご覧ください。
では、この体育会系社会が
女性にどういう影響があるかというと
体育会系にとって部活とは
遊びたい盛りの日々を捧げて、理不尽に耐えて、同じ目標に向かった仲間との日々です。
この経験が人間形成に大きな影響を及ぼしていると考えられます。
実際、共に戦った仲間とは、何十年経っても結束が強かったりします。
問題はその仲間という範囲に99%女性が含まれていないことです。
どう言うことかと言うと、
彼らの頭にある共に戦った仲間とはプレイヤーです。
ほとんどの競技で男女一緒にプレーするという事はありません。
ですので、苦楽を分かち合った共に戦った仲間とは男性のみです。
そこに居た女性はマネージャーという名の雑用です。
女性はサポートをする存在である。
という刷り込みがこの時期に作られたのではないか?
それが社会人になっても変わっていないのではないか?
ですので、片付け、お茶くみ等の雑務が女性の仕事として、
自然に割り振られてしまうのではないでしょうか。
もちろん体育会系でも、若い方を中心にそうでない考え方を持っている人もいます。
ただ、まだまだ女性の地位が低かった時代に育った体育会系は、
そういう刷り込みを持っている方が多いのではないでしょうか。
そして最悪な事にその世代がトップだったり、人事権を持つ世代です。
ですので、女性は出世街道に乗りづらい、本当に飛び抜けて優秀な女性しか出世できない。
このような図式になってしまうのではないでしょうか。
もちろん、僕なりの仮説にすぎないのですが、
総理大臣経験者でラグビー大好きな方の発言などを聞くと、あながち間違いとは言えない気がします。
まとめ
1.男性向けに作った労働のルール
そもそも女性に不利なルール
2.体育系社会
女性はサポートに徹する存在であるという刷り込み
この2つの理由から、女性の社会進出が難しくなっているのではないかと考えています。
読んでくれてありがとうございました。