ADHDをコミュニケーションの強みに変える

発達障害
アオル
アオル

僕たちADHDのコミュニケーションには、
ある特徴があります。

ADHDのコミュニケーション

それは知らず知らずのうちに、
連想ゲームをしている
ということです。

相手の言葉を理解して、それに対応する
というのが一般的なコミュニケーションですが、
僕たちADHDは、相手の言葉から連想ゲームを始めて
連想の結果について喋りがちです。

この連想ゲームを
コミュニケーションの強みに変えよう
というのがこの記事の目的です。

先に結論を言うと、
この連想ゲームを「読み」能力に変換します。
先読みなどの予測能力のことです。

それでは解説を始めます。

ADHDのコミュニケーション例

まず、コミュニケーションの連想ゲームについてです。
友人とのコミュニケーションを例に出すと

会話での連想ゲーム

友人
友人

この前京都旅行してきてね・・・

ADHD
ADHD

あ、昨日抹茶パフェ食べたんだけどさ・・・

友人が先日旅行に行った話を切り出したら、
ADHD側が唐突に抹茶パフェの話を始めました。

京都というキーワードから、抹茶を連想し
それにまつわる話を喋り出しています。

これがADHDによくある、言葉の連想ゲームです。

もう一つのパターンとして、
行動の連想ゲームがあります。

行動の連想ゲーム

仕事でのシーンです。

上司
上司

WEBサイトのリニューアル費用を調べてくれ

ADHD
ADHD

はい!

と言って調査に取り掛かりますが、
連想ゲームが始まってしまいます。

WEBサイト制作費用ではなく、
いつの間にかスマホアプリの制作費用を調べています。

行動していく中で、そこから連想した
より興味を惹かれるものに対象が移ってしまうのです。

相手の気持ち

相手からすると、

友人
友人

旅行の話したかったんだけどな…

上司
上司

話を聞いてない!
忘れっぽい奴だ!

となってしまいます。

キーボードのAを押して入力したのに、
Bという文字が出力されたようなおかしさです。

相手からしたら、
入力(話題・指示)と出力(ADHD側のリアクション)の結果しか見えませんから、
こう思うのも無理もありません。

だけど、僕たちADHDは、
話を聞いていない、忘れっぽい、などの

相手の言葉を鵜呑みにして、
改善しようとしても上手くいきません。

入力と出力の結果ではなく、
その間にある思考プロセス、
連想ゲームこそ本当に注目すべきポイントです。

このADHD特有の連想ゲームは、
ランダムに対象を選んでいません。

興味があること、楽しいと思えることなど、
自分がワクワクすることを無意識に選んで、
喋ったり、行動したりしています。

このプロセスが相手からは分かりません。

結果的には、話を聞いていない、忘れてると言う事になりますが、
ぼーっとしてた訳でも、勘違いした訳でも、
3歩歩いて忘れた訳でもありません。

しかし、相手からするとそういう認識になってしまいます。

いくら話を聞くように、忘れないように心がけても
連想ゲームでワクワクすることを見つけてしまう限り、
あまり効果はないでしょう。

連想ゲームをコントロールすることこそが、
本質的な改善手段です。

これが相手の言葉を鵜呑みにして、
改善しようとしても上手くいかないと言った理由です。

恐らくあなたも、
こういった連想ゲームの経験があるのでは、ないでしょうか。

振り返る

コミュニケーションで連想ゲームをしているか、
その連想ゲームでワクワクすることを
無意識に選んでいないかを振り返ってみてください。

もし連想ゲームをしていたと気づいたなら、

この連想ゲームを
コミュニケーションの強みに変えていきましょう。

強みに変える

冒頭で、読み、予測能力に変えていくと言いましたが
読みのプロセスとは、どのような流れでしょうか。

ビジネスで仮説を立てる際に使われる、
帰納法を見てみましょう。

帰納法は複数の事実から共通点を見つけ、
仮説を導き出すというプロセスです。

つまり、ルールがある連想で
仮説つまり予測を導き出しています。

日本の諺に
「風が吹けば桶屋が儲かる」
と言うものがあります。

まさに連想を使った読みです。

麻雀やカードゲームで相手の手を読むのも、
まさに連想能力です。

予想とか予測と呼ばれるものは、
ほとんどが連想で成り立っています。

そして、僕たちADHDは連想の経験が豊富です。
この経験は、ただ言われた指示を忘れずに、

忠実に守ってきた人には無い財産です。

この財産をコミュニケーションに活かしましょう。

読み能力への変換

「読み」という役立つ能力に変換するためには、
連想能力を活かしながら、連想の軸を変えていきます。

自分がワクワクすることが連想の軸になっていましたが、
この軸を動かします。

(相手の)要点を軸に据えるのです。

正確には要点を軸に連想することに
ワクワクするように変えていくのです。

と言いますか、一度読みに成功すると楽しくなりますし、
自然に要点理解にワクワクするようになります。

トレーニング方法は後ほど解説します。

コミュニケーションで、
忘れないようにメモを頑張る代わりに、
相手の要点を理解するように努めましょう。

読み能力に変換した例

先ほどの会社の例だと、

上司
上司

WEBサイトリニューアル費用を調べてくれ

この時の要点を読みます。

「WEBサイトのリニューアル」
ここを軸に連想を始めて、

ADHD
ADHD

WEBでの集客を増やしたいのかな?


と要点を読んだとします。

ポイントは断定しないことです。
断定してしまうと、ただの思い込みになって、
結果がギャンブルになります。

  • 断定しないから疑問が残ります
  • 疑問が残るから質問ができます

質問すれば、読みが正しかったか答え合わせができます。

上司
上司

そうそう!集客を増やしたいんだよ!

という答えが返ってくるかもしれませんし、

上司
上司

うちのサイト古臭いから新しくしたいんだよ

という答えかもしれません。

ハズれてしまっても、全く問題ありません。
読んで質問した結果、新しい情報・答えが手に入りました。
当たりハズレより、遥かに重要なことです。

まず、このプロセスの効果としては、
記憶の定着率が違います。

ただ言われた事を覚えて、忠実に守ろうとする時に比べ、
読む、質問するという自発的なコミュニケーションは、
記憶に残りやすくなります。

要点という軸を持って、自発的に読んで質問したので、
連想ゲームが始まってしまっても、
要点は押さえたままです。

さらに言うなら、
読むことに楽しさを覚え、ワクワクしたなら
要点からズレようがありません。

ですので、行動の質が変わります。
先ほどの答えが

上司
上司

WEBでの集客を増やしたい!

だったとします。

ここで連想ゲームが強みに変わります。

集客を増やしたいという要点に基づいて考えると、
WEBサイトのリニューアルだけが答えではありません。

  • 新しいシステムの導入
  • SNSでのプロモーション

などが連想できます。

指示を出した上司は連想ゲームが不得意で
集客を増やす=サイトリニューアル
という選択肢しか持てませんでしたが、
ADHDの僕たちは、もっと多くの選択肢を連想できます。

これを続けるとどうなるかというと、
優秀な人材という評価になります。

1を言ったら10理解してくれるという評価になります。

忘れっぽい・おっちょこちょい
というマイナス評価が残っても、
差し引きでプラスになります。

忘れないように、指示通りできるようにと
努力して努力して、やっと平均というか最低限というのは、
割に合わないと個人的に思っています。

どうせ努力するなら、
連想ゲームにしてしまうクセを、強みにする努力を選んだほうが
良いのではないでしょうか。

もし、要点を軸に置いても
言われたことを忘れそうなら、

メモするのは
相手の言ったことだけではなく、
読んで質問して炙り出した要点も書くと良いです。

日常コミュニケーションでも「読み」が活きる

仕事以外のコミュニケーションでも
要点を読む能力は活かせます。

その能力が最大限に発揮されるのは
相手の悩みを解決・相談に乗るときです。

人は誰しも(健常者であっても)
頭の中が整理されている訳ではなく、
本当に思っていることを認識できたり、
言語化できる訳ではありません。

だから要点を読む連想能力と、
質問が役に立ちます。

相手の話から要点を軸に連想して、
質問をします。

この繰り返しによって、
相手の頭の中を整理してあげて
本当の問題が何か、解決方法は何かを
導き出すことができます。

質問ばかりして相手に嫌がられないか
という心配があると思いますが、

ここで言っている質問は、相手の意図を理解したい、
相手を理解したいという気持ちの表れです。

その気持ちは大抵伝わります。
まず好意的に受け取られます。

もちろん、質問は読みとの答え合わせという
こちら都合の面もありますが、
相手のメリットと相反しませんし、
相手のメリットとイコールの関係です。

そして、読みとの答え合わせをすれば、
読みの精度はどんどん高まっていきます。

そうなれば、
相手の良き理解者となれます。

仕事も相手の悩み、問題解決が本質です。
連想能力の使い方は一緒なのです。

注意点としては、
自分のペースでひたすら喋りたい人や、
ADHD同士での会話で、読みはあまり役に立ちません。

自分のペースで喋りたい人は
それ自体が要点ですし、
ADHDは連想してワクワクしたことから順に喋るので、
ワクワクしたことが要点です。

つまり、相手の言葉の中からは要点を見つけられません。
こういうケースがあるのも覚えておきましょう。

読みのトレーニング方法

要点から連想する、読むクセをつけるには、
実際のコミュニケーション以外でも読む練習をするのがおすすめです。

YouTubeでもトレーニング

YouTubeなどで動画を見る際も
サムネから要点を読みます。

再生したら、動画の構成からも要点を読みます。
動画も制作者からしたらコミュニケーションの1つです。

移動中にトレーニング

電車やバスに乗ったら
広告から要点、つまり相手の意図を
見た人をどういう行動に誘導したいかを読みます。

広告はこの辺りの意図を設計した上で出していますので、
かなり良い練習になります。

特にネット以外の広告は、
それなりの決まった額を払うものなので、
こういった設計をしっかりした上で
出している可能性が高いのです。

ADHDを強みに変える

繰り返しになりますが、
連想能力は僕たちADHDの能力であり財産です。

ADHDは革新的なアイデアを生み出す可能性がある
という説がありますが、それは連想の力と言えます。

そういう人間を目指すのも良いですが、
革新的なアイデアを生み出さずとも、
連想能力を読みに生かすだけで、
僕たちの日常をもっと良いものにできます。

まとめ

今まで連想ゲームをしていたか振り返る

振り返るポイント
  • 相手の言葉から連想ゲームを始めて、思いついた順に喋っていたか
  • 連想の軸はワクワクだったか

連想ゲームを読み能力に変える

読みに変換するコツ
  • ワクワクから要点を軸に
  • 要点を読むことにワクワクするようになる
  • 読みで断定せず質問で答え合わせ

そもそも読む、予測する能力は連想能力なので
ADHDにはこの才能がある。

読みと答え合わせを重ねて、
どんどん精度を高めていきましょう。

アオル
アオル

読んでくれてありがとうございました。
YouTube版もありますので、良ければ観てください。
https://youtu.be/6ceWsP0AALk

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