リラックスの本当の効果。脳のリラックスこそが重要

不安解消
アオル
アオル

今回はリラックスの本当の力についてお話します。

リラックスと活動は同時にできる

リラックスという言葉から、どのようなシーンを思い浮かべますか。
南国のビーチでしょうか。
マッサージを受けているシーンでしょうか。
それとも、晩酌をしているシーンでしょうか。

おそらく、リラックスの一般的なイメージは
日本語で言う「休息・休憩」に近いのではないでしょうか。

つまり、仕事などの活動は気を張るものと考えて、
リラックスはそれ以外のプライベートな時間。

というように、切り離して考えがちではないでしょうか。

ですが、リラックスは仕事などの活動中にこそ必要な状態です。
活動とリラックスは同時に行えるのです。

リラックスというと首から下、身体の状態を連想しがちですが、
今回は脳のリラックスに注目していきましょう。

もし脳が四六時中リラックスできたなら、
それは持っている能力をフルに発揮できる状態と言えます。

脳が力を発揮できる、脳にとって最適な状態が、
リラックスしている時なのです。

その理由を解説していきます。

雨の日は勉強効果が高い?

ポツポツと静かな雨音が聞こえる雨の日は
勉強の効果が高い、という説を聞いた事があるでしょうか。
雨と勉強効果、一見関係なさそうに見えますが、この説は事実です。

いくつか理由は挙げられるのですが、注目すべき理由の1つに、
雨音には脳にα波を出させる作用があります。

α波は脳波の一種で、8〜13ヘルツあたりの周波数として観測できます。
ストレスの鎮まりや安心といった感情を引き起こしてくれるものです。

まさに、α波が出ている時の脳はリラックス状態なのです。

そして、α波状態の脳は集中力と記憶力が高まります。
ですので雨の日は勉強の効果が上がる、という結果になります。

リラックスというと、ボーっとしている状態のように思われ、
集中力も記憶力が下がるようなイメージを持ちがちです。

でも実は逆で、集中力や記憶力を発揮できる状態なのです。

つまり、頭を使う活動である仕事などに適した状態なのです。

仕事中にリラックスできない?

それでも、仕事中にリラックスなんて出来ないよ、と思う方がいれば、
それは深いリラックスをイメージし過ぎかもしれません。

今にも眠ってしまいそうな、深いリラックスをイメージするのではなく、
重要なプレゼンや面接の前に深呼吸をするように、筋肉が緩んで心拍数が落ち着いている状態をイメージすると、腑に落ちるかもしれません。

α波以外の脳波(活動中)

逆にα波以外ときには、どんな効果の脳波が出ているのでしょうか。

ベータ波

ベータ波は14~30ヘルツの脳波なので、α波の隣に位置します。
ベータ波でも集中力は高まるのですが、強めのベータ波は逆に集中力の低下を招きます。
同時に緊張状態でもあり、ストレスや焦り、不安も引き起こしてしまいます。

β波時の状態
  • 集中力の低下
  • ストレス
  • 焦りや不安

ガンマ波

ガンマ波は30ヘルツ以上の脳波で、興奮や強いストレス、怒りの状態です。

γ波時の状態
  • 興奮
  • 強いストレス
  • 怒り

どちらも脳がフルに力を発揮できる状態ではなく、
ガンマ波に至っては思考停止に至っています。

リラックスが上手くない人は日常のほとんどを、
焦りや不安を感じるベータ波で過ごし、
時おり、強いストレスを感じるガンマ波の状態で過ごしているのではないでしょうか。

つまり、脳の力が発揮できない状態なので、日々損をしています。
この状態が続けば、自分の能力を過小評価してしまいますし、
何より心身ともに疲れ果ててしまいます。

リラックスで頭が良くなる

脳のリラックスは集中力と記憶力を高めるだけではありません。
脳の異なる領域が連携しやすくなるというデータがあります。
どういう事かというと、アイデアが生まれやすくなる状態です。

今まで考えつかなかったような、
問題の解決手段を見られたり、
問題発見能力も高まります。

リラックスするだけで
頭の回転が早い、頭が良いと言われる状態になるのです。

考えるときは

頭をクリアにしろ
頭を空っぽにしろ

なんて言われますが、
これはまさに、リラックスしろという事なのです。

また、当然ながらリラックスにはストレス軽減効果もあります。
実際にストレスホルモンの分泌が減少するのです。

ストレスが軽減されれば、
冷静な状態で物事を考えることができるので、
判断力や決断の精度が上がるという効果もあります。

別の角度でリラックス効果を知ろう

少し別の角度から見ていきましょう。

こどもの学習効率に関する研究

学習効率に関する研究は数多く行われていますが、
その中で面白いものがあったので紹介します。

まだ幼い子どもを2つのグループに分け、学習結果を比較しました。

片方のグループは
笑いを取り入れながら学習したグループ
もう片方は、
まじめに学習したグループです。

さて、どちらのグループの学習効果が高かったのでしょうか。

結果は、笑いを取り入れながら学習したグループが、
もう一方に比べて多くの学習目標を達成しました。

この研究は脳波を測っていたわけではないので、
この時の脳波がα波だったのか、それ以外なのかは分かりません。

ですが、
笑いを取り入れながら学習するグループ
まじめに学習したグループ

どちらが、脳がリラックスした状態で学習できたのか、
なんとなく想像がつくのではないでしょうか。

慶応高校野球部の指導方針

もう一つ別の話を。

2023年、夏の甲子園で慶応高校が優勝しました。
髪型自由、長時間練習なしなど、
これまでの常識を覆す野球部が優勝したことで話題になりました。

慶応高校野球部の森林監督は、
自分で考えて動くことを選手に求めました。

何を上達したいのかという目的
そのためにどんなトレーニングすればいいのかという手段
これを選手自身に考えさせて任せたそうです。

そして、任せたからには信じて待ったそうです。

慶応高校野球部の指導方針
  • 髪型自由
  • 長時間練習ナシ
  • 選手が目的も手段も考え実行
  • 監督は信じて待つ

伝統的な高校野球の指導方針

一方、これまでの常識の野球部は
坊主強制、長時間練習当たり前。

監督が選手に徹底的に叩き込む指導方針です。

ミスに対する叱責などもあり、
選手は自然と監督の顔色を伺いながらトレーニングしていたそうです。

伝統的な高校野球の指導方針
  • 坊主強制
  • 長時間練習アタリマエ
  • 監督が選手に叩き込む
  • 監督はミスを叱責

脳が力を発揮できる、リラックスした状態で
トレーニングできたのは、どちらな環境なのでしょう。

まとめ

僕たちは何かに取り組むとき、頑張ろうと思いがちです。

頑張るという言葉のイメージがポジティブなものであればそれで良いのですが、
我慢や苦労、歯を食いしばって耐える事を連想してしまうなら、
脳を緊張状態に追い込むだけで、逆効果だったのかもしれません。

気合を入れる代わりに、ひと息入れたり、
頑張ろうとする代わりに、
脳をリラックスさせてあげる方が、
案外近道だったりするのではないでしょうか。

少しだけ、脳に優しく生きてみませんか。

アオル
アオル

読んでくれてありがとうございました。
YouTube版もありますので、良かったら観てください。
https://www.youtube.com/watch?v=gM4lX947r78&t=94s

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